『書物の迷宮』予告篇

思い出したように本を読み、本の読み方を思い出す

スタニスワフ・レム「ソラリス」

ソラリス (スタニスワフ・レム コレクション)

ソラリス (スタニスワフ・レム コレクション)

ハヤカワからも「ソラリスの陽のもとに」というタイトルで出版されてますが、こちらは国書刊行会のハード版。ポーランド語原典からの翻訳、削除部分の復活等が主な違い。タルコフスキーやソダーバーグの映画の原作です。
多分、ファーストコンタクトものSFの中では古典に含まれるかも。しかし、他のファーストコンタクトものとの大きな違いは、出会った「それ」が全く人間とは異なった基礎をもつものだ、という点かと。(上遠野浩平作品における虚空牙もそんな感じですね)
この小説の中に、「人間中心主義」という言葉が出てくるのですが、人間は常に人間を基準にして判断してるんですよね……。この「ソラリス」におけるソラリスと人間のコンタクトって、似たような構図が普通の人間関係にも実はあるような……。
岩明均の「寄生獣」が好きな人にお薦め。

次は「天の声・枯草熱」を読んでみようかな……「枯草熱」はミステリらしいですし。