『書物の迷宮』予告篇

思い出したように本を読み、本の読み方を思い出す

悠久の図書館は四月の中空に消えた

タイトルは例によって適当です。
二階堂奥歯「八本脚の蝶」読了。web日記「八本脚の蝶」の書籍版。中盤あたりから苦しくてなかなか進まなかったのですが、なんとか。
私の中で図書館というか、これから読む本の目録と見なしている人物が数人いて、たとえばそれは澁澤龍彦東雅夫、本でいえば「夜想」や「TH」なのだけれど、その中に新たに「二階堂奥歯」を足そうと思った。読んだ本の量、ジャンルともに私など足下に及ばないほどの読書量。
そして、陳腐な言い方だとは思うけれど、この人は頭が良い。この種の理知を、まだ実際には見たことのない私ですが。本棚の最上段、澁澤龍彦集成と山尾悠子作品集成の右側、津原泰水と古川日出夫の左側あたりでお休みください(ちなみに手前はボルヘスガルシア・マルケス)。
「ポーリーヌ・レアージュの作品といえば?」という質問の答えが分かるような方にお薦め。親しかった13人によるコラムが悲しい。

八本脚の蝶

八本脚の蝶