カート・ヴォネガット・ジュニア『猫のゆりかご』
嘘の上にも有益な宗教は築ける。それがわからない人には、この本はわからない。
わからなければ、それでよい。
カート・ヴォネガット・ジュニア『猫のゆりかご』
高校生の頃からタイトルを知っていたのに、どうして今まで読んでないかなぁ、自分……orz*1
と、読了して軽く後悔しました。かなり好きです、コレ。久しぶりに徹夜読み……深夜から読み始めただけですが。
皮肉の利いたユーモアが好みなのでその時点で好評価なのですが、この作品の特に魅力的なところは「ボコノン教」という架空の宗教。
もしこの宗教の教典「ボコノンの書」が実在したら、かなり欲しいんです。「わたしがこれから語ろうとするさまざまな真実の事柄は、みんなまっ赤な嘘である」から始まる宗教書って、素敵じゃないですかw
ところでこの「ボコノン教」、架空の宗教のはずなのですが、何故かこの宗教の儀式に見覚えが……。
脚を開いて向かい合い、互いの裸足の裏をぴったりくっつける「ボコマル」というモノなんですが、映画か海外ドラマで観たような……。
確か変な宗教にハマってる女性が、登場人物の男性にボコマルを強要するシーンだったような。オマージュ?
- 作者: カート・ヴォネガット・ジュニア,伊藤典夫
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1979/07
- メディア: 文庫
- 購入: 7人 クリック: 148回
- この商品を含むブログ (165件) を見る
まぁ、結論は『残虐行為展覧会』や『時の声』、『沈む世界』を読んでからにでも。
来年ぐらいになったら、急に気に入りだしそうな予感がしますし……。
そう言えば、『クラッシュ』って映画もあるんですよね。確か中学校の頃、深夜に入ってるのをぼんやりと眺めた記憶が……。
グローネンバーグ監督は『裸のランチ』他一作くらいしか知りませんが、妙な映画を撮る監督みたいですねw
次は『スローターハウス5』を読んでみたいなぁ。どこかで見つけた引用文が良かったですし。
神よ願わくばわたしに
変えることのできない物事を
受けいれる落ち着きと
変えることのできる物事を
変える勇気と
その違いを常に見分ける知恵とを
さずけたまえ
カート・ヴォネガット・ジュニア『スローターハウス5』