『書物の迷宮』予告篇

思い出したように本を読み、本の読み方を思い出す

ホルヘ・ルイス・ボルヘス『エル・アレフ』

確か、白水Uブックスの『不死の人』と翻訳元は同じ。こちらの平凡社ライブラリ版の方が新訳だったような。
収録作で特に気に入ったのは、「不死の人」。人を不死にする河を探した男の話。
あと、訳者解説にボルヘスについてかなり詳しく書いてあって、良かったです。34Pもあって、「不死の人」と分量がほとんど同じですw
ところで、山尾悠子の『遠近法』とボルヘスの『バベルの図書館』は(『遠近法』作中で言及される通り)似た構造の宇宙を扱っていますが、『シメールの領地』と『不死の人』も、街の構造が似ていますね。両者ともにエッシャーあたりの絵を念頭において書いたんだろうなぁ。
平凡社ライブラリ版の翻訳(木村榮一訳)で読むと、どこか佐藤亜紀の『パルタザールの遍歴』を連想します。あとで読み返してみよう……。
ちなみに、『エル・アレフ』よりも『伝奇集』の方が入門向けかな、と感じました。『バベルの図書館』と『トレーン、ウクバール、オルビス・テルティウス』が特に気に入っているのもありますが。
参考にどうぞ→

エル・アレフ (平凡社ライブラリー)

エル・アレフ (平凡社ライブラリー)

伝奇集 (岩波文庫)

伝奇集 (岩波文庫)


追記
特に意味はないけれど、↑に名前が並んでいたので。
佐藤亜紀佐藤哲也(作家夫婦)が大学で最初に交わした会話は「何読んでるの?」「山尾悠子」だったそうな。へ〜。
via:我妄想するに後悔なし - からくり旅団日誌
佐藤哲也、まだ読んでないなぁ……。そう言えば、佐藤夫婦は二人とも日本ファンタジー大賞受賞してますね。