『書物の迷宮』予告篇

思い出したように本を読み、本の読み方を思い出す

魔術的リアリズム

マジックリアリズム - Wikipedia
古川日出男の『13』を読んでます。古川日出男の作品は五つほど読みましたが、ジャンル分けしにくいのを書いてますね。ただ、文章の特徴としてはガルシア・マルケスの『百年の孤独』に代表される、魔術的リアリズムの系統かなぁと。
魔術的リアリズムは、神話的な事象を現実と融和させるという形式。
と、表現してみると、どこかライトノベル学園異能ものっぽいイメージがあるなぁ、と。
ライトノベル学園異能ものとかは、現実に対する異物を投げ込んで、現実そのものを異化してしまう点において、似ているようで別物という印象。……違うかも。
というよりも、学園異能ものはストーリーの構成において異物を投入するというものだけど、魔術的リアリズムにおいては、神話的事象と現実は地続きに融和していて、それはストーリーの構成だけではなく、文体によって作られている……のか?
加えて言うと、魔術的リアリズムでは現実と神話の間を往復するけれど、基本的に学園異能は「現実→異物→現実」って構成になっている気が。魔術的リアリズムでは「現実⇔神話」って感じで。
ガルシア・マルケスの描写は記者時代に身に付いたもので、古川日出男の場合は演劇方面からかなぁ……。描写が密な戯曲、とかそんな感じがする。
シュルレアリスム小説は読んでいないけど、あっちは神話の代わりにフロイト、異物はデペイズマンの効果のために投入される……と予想。ブルトンの『ナジャ』は報告書の体裁を取っているので、厳密には小説ではないし。
ジョルジュ・デ・キリコの『エブドメロス』を読みたいなぁ……。


ところで、BonEcho*1のG4最適化版を使ってますが、阿呆のように速いですね。これ以上速いブラウザというのを知らない、ってぐらいに超高速。

*1:Firefox2.0のα版