中野美代子『眠る石』
元ネタが澁澤龍彦の『高丘親王航海記』などを連想させつつも、それよりも生真面目な文体で書かれているという感じ。
15の短篇は殆どが東方を題材としていて、その辺りから『高丘親王航海記』を連想しますが、むしろ文体は山尾悠子のような落ち着いたものを感じるなぁ。
澁澤龍彦の文章だと、どこかホラ話的な、おちゃらけた感じがするような。
私的に気に入ったのはホルバイン『大使たち』の謂れが語られる第八夜か。その他の短篇では、あまり東南アジア系の遺跡は得意でないので、微妙にイメージが浮かばなかった。
- 作者: 中野美代子
- 出版社/メーカー: 角川春樹事務所
- 発売日: 1997/09
- メディア: 文庫
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