『書物の迷宮』予告篇

思い出したように本を読み、本の読み方を思い出す

中野美代子『眠る石』

元ネタが澁澤龍彦の『高丘親王航海記』などを連想させつつも、それよりも生真面目な文体で書かれているという感じ。
15の短篇は殆どが東方を題材としていて、その辺りから『高丘親王航海記』を連想しますが、むしろ文体は山尾悠子のような落ち着いたものを感じるなぁ。
澁澤龍彦の文章だと、どこかホラ話的な、おちゃらけた感じがするような。
私的に気に入ったのはホルバイン『大使たち』の謂れが語られる第八夜か。その他の短篇では、あまり東南アジア系の遺跡は得意でないので、微妙にイメージが浮かばなかった。

眠る石 (ハルキ文庫)

眠る石 (ハルキ文庫)