『書物の迷宮』予告篇

思い出したように本を読み、本の読み方を思い出す

五十嵐大介『SARU』上巻

最近めっきり本を読めなくなってしまっているけれども、漫画だけはなんとか読んでいる。
特に五十嵐大介については、単行本を確実に読むように心掛けたい、と思う今日この頃です。


先日地上波で映画『風の谷のナウシカ』が放送されていた。
宮崎駿の原作漫画の方が物語として破壊力が高い代物なのだけど、オープニング〜風の谷への到着までの間に、テーマと人間関係、ストーリーの展開がすべて綺麗に圧縮されて納められていることに気付いた。たかだか15分の間で世界に引き摺り込む技術。
五十嵐大介の作品にもそれに似た魅力がある。
ナウシカでは開かれてこちらを誘い込む扉と言った感じ。
五十嵐大介の場合は鍵だけ手渡して「さあどうぞ」と誘っているような、予感に満ちた導入といった感じ。


五十嵐大介宮崎駿の共通点でいうと、食事のシーンが多いことなどもあるかな。
『魔女』や『海獣の子供』は『ポニョ』的なものにわりと近いのではないかな、と思う。
まだポニョは観てませんが。


SARU 上 (IKKI COMIX)

SARU 上 (IKKI COMIX)