『書物の迷宮』予告篇

思い出したように本を読み、本の読み方を思い出す

菊地拓史・森馨『Square and Circle』、泉屋博古館分館 特別展『きものモダニズム』

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六本木駅を出てちょうど足の下に大江戸線をなぞって横断歩道を渡り、ゆるい坂を下っていくと途中に黄色の横縞模様のビルが見えて、それがストライプハウスギャラリー。

ストライプハウスギャラリー トップ

以前に来た時は人形学校のエコール・ド・シモンの人形展だったので、ハレの場というイメージがあるギャラリーだったのだが、今回は落とし気味の照明などのせいもあって落ち着いた感じだった。
展示されているオブジェのどこか「かつて」があったことを想像させるような印象と、人の姿であるけと動かない人形を眺めていると、照明の色味もあってタルコフスキーの映画『ストーカー』のセピアがかった夢のなかに紛れ込むような気がした。
菊地さんはときどきパラボリカ・ビスでも面白い設営の仕方をしていて、たしか中川多理さんの展示で箱を塔のように組み上げていたのもそうだったような気がする。
階段を上ったところの極楽鳥というタイトルの少年らしき人形作品が卵を指差していたのが妙に印象に残っている。
会期は今月の30日までとのこと。

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帰りがけに泉屋博古館分館に立ち寄って、着物モダニズム展を見た。

着物には全く詳しくないのだけど、来るときの日比谷線から萩原恭次郎「日比谷」を思い出すなどしていたので、どうも『死刑宣告』の表紙デザインを強く連想した。
サイケや70年代に流行ったペイズリー柄やポップな柄を先取りしたような大正から昭和初期にかけての着物はむかしのロックミュージシャンとかに着崩して身につけさせたら案外全く違和感がなさそうな印象だった。
このまま壁一面に貼りつければ抽象絵画としていけそうな柄などもあって、小さい展示だったけれど思いのほか面白かった。
 ちなみに萩原恭次郎の『死刑宣告』は著作権が切れているのでwikisourceなどで読めるが、文字の使い方が面白かったりするので、本で買って読んだほうが良い。

 

死刑宣告 (愛蔵版詩集シリーズ)

死刑宣告 (愛蔵版詩集シリーズ)