『書物の迷宮』予告篇

思い出したように本を読み、本の読み方を思い出す

2010-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『インセプション』

「入れ子になった夢の、それぞれ圧縮された時間のなかで連続的に迫る決定の瞬間」といった複雑になりそうな話を、分かりやすくまたエンターテイメント的にも意味のある形で提示するあたりに、力量みたいなものを感じた。 明晰夢的な、自由に構築できる夢とい…

ペレック『煙滅』

こうやって、すべてが反転するのだ。不足から飽和へ、束縛から奔放へ。想像の作用で暗黒が光華へと生まれ変わるのだ! ――ペレック『煙滅』 これもまた煙滅のある顕現。 かねてから伝聞漏れ伝わるところの、可能文学工房の作家ペレックの『煙滅』。 ある仮名*1…