『書物の迷宮』予告篇

思い出したように本を読み、本の読み方を思い出す

書籍

色々届く

アンナ・カヴァン『氷』、リラダン『残酷物語』到着 『残酷物語』思ったよりずっと状態が悪いorz シミとか傷みは覚悟してたけど、こんなに沢山傍線入ってるとは訊いてない……。まぁ、読めるからいいか。 とりあえず、両方とも暫くは積読になります。 私的方針…

白の作家と赤貧作家

アンナ・カヴァン「氷」 以前にid:maaya331さんからお薦めいただいたアンナ・カヴァン。その長編小説『氷』を購入。 「幻想文学54 世界の終わりのための幻想曲」に紹介を見つけた時から気になっていたのですが、ちょっと高いので今まで躊躇ってましたが遂に…

異邦人文学

コリン・ウィルソン「アウトサイダー」読了。う〜ん、哲学系は疎いので、実存主義が何となくでしか分からない……。サルトルは新潮文庫の短編集を持ってましたが、あまり興味が持てなかったので読まずに売ってしまいましたし。 さておき、「アウトサイダー」自…

帰ってくる者、帰らない者

積読はそのままですが、どうしても「デス博士の島その他の短編」が読みたくて、購入。ltokyo.com - とか色んなところで高評価*1されてますし、20世紀SF〈4〉1970年代―接続された女 (河出文庫)にて既読の表題作も良かったので。 表題作を読み終わってからこち…

クイアノベルばかり買ってる気がしてきた。

歯医者に行ってきました。奥歯に水がしみるなぁ、と思っていたのですが、今日になったら治ってました……。 帰りに古本屋で色々物色。明日、大学の方に戻るので、気になるものを買ってきました。 買ったのは、 リチャード・コールダー「デッドボーイズ」 皆川…

文学賞.com

文学賞.com オススメの文学賞をデータベース化している模様。 個人的に気になるのは、日本ファンタジーノベル大賞。 元々は出版社だったかが、「ファンタジーノベルをアニメ化して儲けようぜっ」みたいなノリで始めたらしいのですが、第一回受賞作として選ば…

インサイダーより「アウトサイダー」の報告

コリン・ウィルソン「アウトサイダー」を読んでいます。古い本ですが、かなり面白いです。 第四章まで読んだところなのですが、ここまでの感想だと、この本はカミュ「異邦人」やヘッセなどの書評を書く際に良い参考になりそうだなぁ、といったところ。特にカ…

Japanese mystery in English

http://www.excite.co.jp/book/news/00101140360786.html ミステリ書評家の杉江松恋という人が、「このミステリ作家の作品を英訳したらすごい!」というアンケートをしているようです。アンケートに答えるにはこちら。 京極夏彦と古川日出男、どちらにしよう…

包帯の巻き方が分からない

ケガはしてません。本の話です。 http://editions-treville.net/?pid=837232 三浦悦子の作品集「フランケンシュタインの花嫁」が届いたのですが、装幀の一部として包帯が巻いてあるのですよ……いったん解いたら(予想通り)元に戻せなくなり、納得できる巻き方…

澁澤龍彦、最後の文業

澁澤龍彦・巌谷國士「裸婦の中の裸婦」読了。澁澤龍彦には珍しく、共著という形で出版された本。 咽頭ガンで澁澤龍彦が入院した時点から、巌谷國士が引き継いでいる模様。 内容は二人の人物が一つの美術品について対話する画文集。バルテュス、クラナッハ、…

異教と異境と異郷の話。

ロード・ダンセイニ「ペガーナの神々」読了。ダンセイニ卿は、タルホやラヴクラフトに影響を及ぼしたひとだとか。特にラヴクラフトは分かりやすいぐらい影響を受けてるなぁ、と。特にドリームランド系。 収録作品は表題作の「ペガーナの神々」と「時と神々」…

幻視者による「化学の結婚」

グスタフ・マイリンク「ゴーレム」読了。う〜ん、分かり難い。 難解、というか錬金術的意匠に惑わされてるのか、結局よく分からないまま読了。 ある種の成長小説として読める気もしたのですが……。そのうち読み返します。 ちなみに現在はジャン・ジュネ「ブレ…

ママは祈った「立派なフリークスが生まれますように」

タイトルは帯についていた惹句より。キャサリン・ダン「異形の愛」読了。 ストーリーは、トッド・ブラウニングの映画「フリークス」とガルシア・マルケスの「百年の孤独」、最近の昼ドラ調のドロドロとスティーブン・キング原作の映画「キャリー」。それぞれ…

悠久の図書館は四月の中空に消えた

タイトルは例によって適当です。 二階堂奥歯「八本脚の蝶」読了。web日記「八本脚の蝶」の書籍版。中盤あたりから苦しくてなかなか進まなかったのですが、なんとか。 私の中で図書館というか、これから読む本の目録と見なしている人物が数人いて、たとえばそ…

蔵書リスト

どなたかに「蔵書リストを見てみたいけれど、「面倒くさいですw」と言われそう」と言われたような気がするのですが、どなたでしたっけ。昨夜、急に行動を読まれていたことが悔しくなり、四時間ほど掛けて蔵書リスト作成。 エクセル形式、zip圧縮済み 予想よ…

西岡兄妹「この世の終りへの旅」

カミュとかカフカ*1みたいな感触。通読はしましたが、うまく飲み込めず。 なんだか、最後の「がんばれ」が、まだ生まれていない子供への言葉に思えてみたり*2。空っぽの味がする話でした。ところで、同時に注文しておいたマリオ・プラーツの「肉体と死と悪魔…

まとめ買い

実家にいる間に10立方メートルは雪かき&雪下ろしをしたので、それなりの臨時収入が。 なので、あと三ヶ月は読む本に困らなさそうな、濃いめのチョイスでまとめ買い。 Amazonにはなかったので載せてないけれど、二階堂奥歯という人の「八本足の蝶」という本…

旧字で書くと丸尾末廣?

昨日、実家から帰ってくる途中でヴィレッジヴァンガードに立ち寄り、丸尾末広「犬神博士」、五十嵐大介「そらトびタマシイ」を購入。丸尾末広の画面って、見れば見るほど止まってますよね。以前友人への誕生日に、「笑う吸血鬼」をプレゼントしたことがある…

芥川賞・直木賞、早くも「メッタ斬り」

芥川賞・直木賞の受賞作を「メッタ斬り!コンビ」が予想 - nikkeibp.jp - 文学賞メッタ斬り! 「文学賞メッタ斬り」のコンビ、大森望、豊崎由美の二人がまた斬ってますw 今年は伊坂幸太郎、姫野カオルコ、東野圭吾、松尾スズキが気になるなぁ……(全員未読)。…

まだまだアリス狩り

昨日に引き続き、「綺想の饗宴」読んでます。面白いけど、美術史等の知識が足りないので、うまく全体を見渡せない。 と言うわけで、はてなキーワードの力を借りるべく、要点をアウトライン化。

殊能将之「鏡の中は日曜日」

文庫版を買ったので、元々密室本だった「樒・榁」も収録されていたのですが、まずは「鏡の中は日曜日」から感想でも。 都鞠さんに一つ前の作品「黒い仏」の方が捻りがあって好き、というようなことを聴いていたのですが、確かに、結構あっさりめの作品でした…

世界史の中の狗たち(と書くと押井守の気配がする気が……)

古川日出男「ベルカ、吠えないのか?」読了。正確には去年のうちに読み終えてましたけど。 なかなか面白かったです。作者の古川日出男氏の語り口が、なんともいえずヘタウマな感じがします。いや、下手ではないんですよ。ジミー・ペイジみたいな感じです。 …

書籍ベストテン……?

ベストテン、纏めるのがなんだか面倒くさくなって参りました。決して某所の真似だったり影響ではありませんw とりあえず、短くコメントを付記することで誤魔化しておきます。 ・「山尾悠子作品集成」 最高だった。圧倒的な文章力。 ・澁澤龍彦「高丘親王航…

そろそろ今年のベストテン。10.ピエール・ルイス「女と人形」

去年もブログに小説作品でベストテンを挙げたので、今年もそろそろ書き始めないと……。10位から順に書くことにします。まぁ、順位はほとんど感覚的に分けたので、さほど意味はありませんが。 10.ピエール・ルイス「女と人形」 これは面白かった。正味、設定そ…

久しぶりにミステリとか

「このミス」が売られているのを見てなんだかミステリが恋しくなり、二冊ばかり購入。古川日出男の「ベルカ、吠えないのか?」、殊能将之「鏡の中は日曜日」。 「ベルカ、吠えないのか?」の作者、古川日出男氏は以前に「アラビアの夜の種族」を読んで、かな…

じりじりとカフカ

カフカの「審判」を讀んでます(旧漢字での変換は某Kさんからのパクリ)。ちなみに、カフカはチェコ語で鴉だそうです。「変身」が有名。 不条理物として有名なカフカですが、論理というよりは状況が不条理なのであって、割と日常的に馴染みがある気もします。…

スタニスワフ・レム「ソラリス」

ソラリス (スタニスワフ・レム コレクション)作者: スタニスワフレム,Stanislaw Lem,沼野充義出版社/メーカー: 国書刊行会発売日: 2004/09メディア: 単行本購入: 7人 クリック: 309回この商品を含むブログ (127件) を見るハヤカワからも「ソラリスの陽のもと…

R・D・レイン「引き裂かれた自己」

ひき裂かれた自己―分裂病と分裂病質の実存的研究作者: R.D.レイン,阪本健二,志貴春彦,笠原嘉出版社/メーカー: みすず書房発売日: 1971/09/30メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 20回この商品を含むブログ (29件) を見る 私が本書の中で何よりも伝えたいと…

わたしが知らないのをわたしが知らないならば

ひき裂かれた自己―分裂病と分裂病質の実存的研究作者: R.D.レイン,阪本健二,志貴春彦,笠原嘉出版社/メーカー: みすず書房発売日: 1971/09/30メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 20回この商品を含むブログ (29件) を見る現在、1章までを読み終わったところ…

カストラチュラのその後

シューメイカー作者: 鳩山郁子出版社/メーカー: 青林工芸舎発売日: 2005/07メディア: コミック購入: 4人 クリック: 26回この商品を含むブログ (31件) を見るカストラチュラ作者: 鳩山郁子出版社/メーカー: 青林工芸舎発売日: 2000/08メディア: コミック購入:…