東大総合研究博物館『命の認識』
命の認識_東京大学総合研究博物館
最近頓に「私達が神聖と考えるものというのは、結局のところ再現の不可能のことなのではないか」というようなことを考える。
それは神聖なことそれ自体の再現不可能性と、そのことを再話することを拒否する点なのではないか、というような。
万物はコンテンツとして玩弄可能なオブジェクトになるが、そのことを拒否する、拒否させたいという思わせる事物が神聖なのではないか。
それはさておき、『命の認識』に行った目的は動物の解剖。
解剖している場に行くと、まずムッと傷んだ肉と捨て忘れの内臓の臭い、人たちの頭越し、テーブルの上に毛皮をはがれ剥き出しの筋肉を晒している北極熊の前足。
また他方では総監督の遠藤秀紀氏が、半身を骨格標本にされた大蝙蝠、海豹の腸および腸間膜、犀の性器などを説明していた。
個人的には海豹の腸が面白く、それをつなげるような形で広がる腸間膜、およびそれを走る血管、またそういった内臓が以下に効率的に3m弱の海豹に収まっているか、などの話に興味を惹かれた。
また、続く部屋に陳列されたさまざまの動物の骨格は、さながらヴンダーカムマー(驚異の部屋)と言った趣きがあった。
解剖の方は「飼育していた方への配慮」ということで撮影はできなかったが、他の部屋では写真撮影ができたので、骨の群れなどを撮影しておいた。
象の死産児
諸々の骨たち。なんとなく五十嵐大介の漫画を思い出した。
群なす下顎部たち
鯨の頭部
総監督の方の本はこの辺らしい。ちょっと気になる。
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